【3日目】サリーナ→ロックハンプトン→ジンジン
【朝食】洋梨、レーズンパン、コーヒー
【昼食】りんご、レーズンパン
昨晩、パブでビールを飲んで寝たため夜中に寒さで目覚めることもなく快調に朝を迎えた。これから南下するとともに寒さは増してくるだろうし、この際どこかで寝酒用のものを仕入れておいた方がいいかもしれない。
朝の7時に愛するサリーナを離れ車を飛ばした。今日の目標はロックハンプトン。距離にして400km弱。昼には到着しそうだ。
サリーナから出発して休憩を挟みながら4時間程度運転したところで、ロックハンプトンに入ったことが標識でわかった。街の外れはどうやらモーテルなどがぽつぽつとあるようなよくある街のようだ。ここで半日過ごすには少し退屈かもしれない。もう少し町の中心部に行ってみよう。
あまり個性のないビル街を車で走ること10分、突然川を挟んだ対岸に古風な洋館がひしめく一帯に出た。先ほどまでの無色な町並みが嘘のように色めき立っていた。ここがロックハンプトンか。
洋館が立ち並ぶ一帯の中の駐車場に車を止め、しばらく歩いてみる。どうやら昔の建物が改装されており、今は銀行やホテル、裁判所などが入っているらしい。リバーサイドは数隻の船が漂っており、流れも穏やかでこの洋館街に相応しい。しばらく僕はそこでまったりとしていたが、急に空腹を感じて車に戻ることにした。
ロックハンプトンはいい街だが一晩ここで過ごそうというほどでもないと感じ、りんごをかじりながら車を国道1号線の流れに戻した。
そこから僕は今日のゴール地点を求めてロングドライブを強いられることになる。昨日のサリーナの影をどこかで追い求めていたに違いない。僕はわざわざ寄り道をしグラッドストーンや名前のわからない小さな町をいくつか回ってみたが、なかなか決められずにだらだらと距離を伸ばした。
午後4時半、日が暮れてきたのでそろそろ今日の滞在地を決めねばならなかった。その時に標識に「 Gin Gin 109km」と書かれているのが見えた。それ以前にも以降にもしばらく町という町はなさそうだ。
僕は今日の宿泊地をジンジンという聞いたことのない町にすることに決めた。
それから1時間程度、車を走らせるとモーテル街が見えてきた。ここもロックハンプトン同様、郊外と中心部で町の様子が違うのだろう。
中心部に着くと思った通り、先ほどのモーテル街とは打って変わって小綺麗で少しレトロな感じの街並みだった。少しだけ探索をして夕食の準備に取り掛かった。
今日も昼から水にパスタを浸しておいたので即座に食すことができる。幸い水源と言う名のトイレも近くにあり、水の補給や洗い物も簡単だ。
最低限の湯を沸かし、パスタを投入する。昨日は1分ほどで揚げたが今日は2分程度茹でてみた。すると昨日よりももちもちに仕上がった。
昨日は皿を使ったが、今日からは横着をして鍋にソースを投入して食べることにする。そのため水切りがしっかりとできなかったのだが、これが功を奏してソースが一層絡み、スープパスタのようになった。一日運転をしていると、こんな些細なことで幸せを感じてしまうのは僕だけか。
食後は水源という名のトイレで洗い物を済ませた。その間、本来の利用者であるおじいさんが驚いて退散してしまったのだが。申し訳ないことをした。
その後は何となくカウチサーフィンを使ってみた。これは無料で家に泊めてくれるホストと無料で家に泊まりたいトラベラーのマッチングアプリである。
一人にリクエストを送っただけでは返事が来ないかもしれないので誰彼構わず送っているとメールの送信が制限されてしまった。後悔先に立たず、である。ひとまず今は返事が来るのを待っている。