じゃそれで(Up to you)

オーストラリアで旅をしながらお仕事をする生き方を実践しています。

【書評】他人を引きずり下ろすことの快楽について

この間、『シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快楽』という本を読みました。

 

 

https://www.amazon.co.jp/シャーデンフロイデ-他人を引きずり下ろす快感-幻冬舎新書-中野-信子/dp/4344984811/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1532950695&sr=8-1&keywords=シャーデンフロイデ

 

 

タイトルからして物々しい感じなのですが、

この感情、誰でも一度は感じたことがあるものなのではないでしょうか。

 

成功者がつまずく、自分が嫉妬している相手が失敗する、調子がよかった人が停滞する

 

そんな時になんとなく安心したり、喜んでしまう感情。

それをシャーデンフロイデというそうです。

 

日本では「他人の不幸は蜜の味」という言葉で表されてきた感情ですね。

 

 

これは、脳内で分泌されるオキシトシンによってもたらされる快楽です。

 

このオキシトシン、「幸せホルモン」とも呼ばれ、

分泌されている時、なんとも幸せな気持ちになってしまうのです。

 

 

他にも

 

・マッサージを受けている時

・他人からの愛を感じた時

 

オキシトシンは分泌されます。

 

 

そして人はオキシトシン中毒者です。

 

普段の生活で他人からの愛を感じられない環境に晒されていると

心が荒み、ついつい他人の不幸に喜んでしまいます。

 

これはオキシトシン不足を補うために

他人の不幸によって分泌させようとしているのですね。

 

 

 

 

そしてこのオキシトシン、生物の「向社会性」を高めるホルモンでもあります。

 

社会を構成することでその種を守ってきた人間にとっては欠かせないものです。

 

 

 

しかし一方で、このホルモンは「反社会的」な者を排除しようとする性質があります。

 

「反社会的」とは、社会を乱す可能性のある存在ですので、

単純に「不良」ですとか「ヤクザ」ですとか、そういう人達だけではなくて、

「集団の中で目立つ存在」に対しても当てはまります。

 

 

「出る杭は打たれる」という言葉がそれに当たります。

 

 

倫理や道徳に反したことをすると必ずバッシングされます。

 

不倫や常識から少しズレた発言がネット上で炎上することがありますが、

これも社会規範から外れた人を淘汰しようとする働きであり、

そのような人達を引きずり下ろすことで無意識に快楽を得ようとする動きです。

 

 

「炎上」がしょっちゅう起こっている近頃ですが、

社会的な欲求不満が端を発しているのでしょう。