じゃそれで(Up to you)

オーストラリアで旅をしながらお仕事をする生き方を実践しています。

【ダーウィン5日目】オーストラリアで全財産が$3になった件

【5日目】スリーウェイズ→エリオット→ダリーウェイターズ→マタランカ→カサリーン→ダーウィン

 

 

 

この日気づいたことがある。朝の四時ぐらいが最も夜空が綺麗だということを。まだ太陽が登らない早朝は月も消え、星の光だけが輝いている。むしろ夜は辺りが暗すぎて月光が出しゃばりすぎているように感じる。昨日などは月の明かりをハイウェイの街灯と間違えたほどだ。

 

 

 

 


朝は七時前に体を起こし、僕らはコーンフレークを食した。これで豆乳も全て使い切り、残るは水、コーンフレーク、白パン、パスタの乾麺、少量の菓子となった。明日から友人を迎えるので綺麗に消費していっていると言える。

 


もはや外の寒さに湯を沸かす気力も萎え、コーンフレークを食した後はユキノの運転で北へ向かった。

(レナースプリングスの少し南側にある小さいエアーズロックみたいなやつ。名前はわからない)

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この日はまず、昨日クレジットカードを失くしたことに気付いたエリオットに向かう。ここではフリーでホットシャワーを借りられるらしい。明日友人を迎えるにあたり臭いままでは(面白いけれど)申し訳ない気持ちもあるため浴びていくことにした。

 

 

 

スリーウェイズからエリオットまで約一時間程度。到着して風呂の準備をする。銭湯に向かうような格好でシャワー室に向かっているとおばさんが話しかけてきた。早口でなかなか聞き取れなかったが、どうやら「女湯は清掃員に覗かれるから、あんた(僕)付いていた方がいいわよ」というようなことを言っていたみたいだった。

 

 

 

そんなベタな展開があるのか、そんなことがあるならむしろ面白いと思いながらも僕はユキノに付いていた方がいいのか聞くと、いらないとのことだったので遠慮なく僕も男湯に向かった。果たしてその結果、覗かれなかったようだ。

 

 

 

 


ホットシャワーと聞いていたが、どう考えても冷たい水をグレゴリー以来またしても浴びて僕は震えながらシャワーを出た。それからまたダーウィンに向けて僕達は出発した。

 

 

 

この日は、僕とユキノが100~150km間隔にある給油ポイントを交互で運転した。景色の代わり映えがなく、多少飽きが来ていたためだ。

 


エリオットではシャワーを浴びたため、次に向かうのは150km先のダリーウォーターズ。この時はユキノの眠さ対策のために英語でしりとりなどをしていた。これはなかなか時間が経つのが早くて役にたつ。しりとりを続けているといつのまにか150kmを走り切り目的地へと付いた。

 

 

 

ダーウィンを終点にするスチュワートハイウェイの北面の道路上には、スリーウェイズ、エリオット、ドゥンマラロードハウス、ダリーウォーターズ、ラリマー、マタランカ、カサリーン、パインクリークの八つの給油ポイントがある。

 


スリーウェイズの店員によるとカサリーン以外の場所にはガソリンスタンドと申し訳程度のスーパーなどの施設しかないようだ。そのためガソリン以外の物価はほとんど同じぐらいで、パイなどは $8、スモールカップのシャーベットで $3、ゆで卵は一つで $1、りんごやオレンジなどのフルーツは一つ $1.5とかなり高価だ。

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そういうわけで僕達はいつものごとく、スーパーマーケットを覗き見て、すごすごと何も買わずに車へ帰ることとなった。ダリーウォーターズから150km離れたマタランカには僕が運転することになる。

 

 

 

ユキノが寝ていたため僕はこの時間ずっとお金について物思いにふけっていた。というのも小さなミスがきっかけで $100を失ってしまったからだ。この貧乏生活の中での $100は大きい。しかし一方で、お金ごときで気持ちが揺れるのは不本意だった。

 

 

 

僕が考えていたのは、どうすれば「お金にとらわれる」ということを辞められるのかということだ。何をするにもお金のことを考えてしまう。遊びに行くなど楽しいことにもお金、罰金・税金など嬉しくないことでもお金。僕はいい加減、こんなつまらないことで一喜一憂することは辞めたかった。

 

 

 

楽しいことをするにはお金がいる。だから働かないといけない。こんな当たり前のことに今は一々引っかかってしまうのだ。そしてそんなことを考えるといっそお金を全て捨てて、どんなことになるのか試してみたいとさえ思う。

 


旅の生活は貧しい。しかしその分、小さなことにも幸せを感じる。朝、平気で冷えた豆乳をコーンフレークに注ぎ食べるだけで幸せだ。夜、歯磨きをして口の中がさっぱりするだけで幸せだ。仕事をしていた頃、こんなことに幸せを感じるセンスも余裕もなかったように思う。生活の程度を下げれば下げるほど、幸せを感じる機会は増えるのではないだろうか。

 

 

 

以前、ブログに「人生を降りる」ということについて書いた。稼ぐことや物を買うこと、人生で成功することを追い求めるほど求めるハードルは高くなり幸せにはなれない。自分の持続可能な生活水準ぐらいで人生を諦めてしまう方が幸せのハードルが身の丈に合って、結果幸せになれるのじゃないかという話だ。ここに来て僕は同じことをまた考えている。きっと今の僕には持続可能な生活水準を見極めることが必要なんじゃないだろうか。

 

 

 

 


そんなことを考えながら僕らはドライブを続け、ダーウィンの300km手前にあるカサリーンで給油をしようとしたところ衝撃的な事実が発覚した。

 

 

 

カサリーンのガソリンスタンドはこれまでの$1.8~1.7の相場とは桁外れに安く$1.45という価格破壊を起こしていた。その代わりか支払いから給油まで全てがオートマチックだ。日本ではフルオートマチックが普通だが、オーストラリアでは支払いのみ人を介することが一般的なのだ。

 

 

 

そこで僕は車のガソリンを満タンにするべく$70分のガソリンを指定した。しかし何度やっても給油が始まらない。あまりにもたもたしていたため、隣で給油していたおじさんが手伝ってくれた。その結果、僕のカードにはもう$48しか残っていないことがわかったのだ。たしかに残高が$48しかないのに$70分の指定をしても給油は始まらないだろう。

 

 

 

ひとまず$40分のガソリンを給油して、ダーウィンへと向かった。

 

 

 

いつの間にか僕のオーストラリアでの全財産は残り$8になっていたのだ。ちなみにクレジットカード類は盗まれたため、日本の口座に入っている分も使えない。

 


その後僕らはダーウィンに行く途中、あまりの暑さでファンタオレンジのシェイクを買ったため残りは$3ぐらいになってしまった。これからのことはまたその時に考えることにしよう。金がなくてもなんとかなるということを証明してやろうじゃないか。

ANZ銀行に入っている僕の口座の残高)

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(美味しかったフルーツ達)

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そんなこんなで僕はカサリーンからダーウィンまでの300kmほどを燃費重視で駆け抜けた。その結果、7時前のまだ日が暮れていない時間にダーウィンへたどり着いた。

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僕達がダーウィンについて一番最初に感動したのは、ウールワースという大型スーパーがあったことだ。ここで一人一つ好きな果物を買うことにした。

僕は洋梨、ユキノはマンダリンオレンジを買った。夜はパスタを作ろうとしていたので蛇口から水をもらっておいた。

 

 

 

 


ダーウィンウールワースから今度はキャンプサイトに移る。その車中、僕達は「美味い、美味い」とフルーツを食べた。五日間、食事が質素になるだけでこれほど味覚は研がれるのかと一人感動していた。

 

 

 

キャンプサイトに行くのも一苦労だったが、途中で砂場の空き地を見つけそこでパスタを茹でて食べた。

 

 

 

 


さて、明日からは実はダーウィンでホテル暮らしだ。友人がシンガポールから来るということでまだクレジットカードを失っていない時に予約しておいたのだ。レンタカーも距離規制のために23日まで借りることになってしまった。奇しくも友人がシンガポールに帰るのも23日まで。まったくの偶然だがダーウィン市内を車で案内できそうだ。