じゃそれで(Up to you)

オーストラリアで旅をしながらお仕事をする生き方を実践しています。

【パース4日目】マーブルバー→ダガーヒルズ(960km)

目が醒めると昨日眠る前に見えた星空はすっかり白んでいた。僕らの眠りを破ったのはキャンプサイトで同じく休息をとっていたトラックの出す唸るようなエンジン音だった。

 

 

 

昨日より1号線を離れ、95号線を進んでいる。レンタカー会社により距離制限のかけられた僕達には街が小刻みにあり、綺麗に整備されているであろう海沿いの1号線を通る選択肢はなかった。

 

 

1号線が海岸沿いに大回りで走る道路なら、こちらの95号線はパースまでの最短距離の内陸をかき分け進んでいくルートだ。

 

 

この道路は工事車両が手早く移動するために作られたのではないかと思うほどトラックばかりが通る。そのためレストエリアもトラックばかりが往来し、この晩は何度も巨大車両が吐き出す轟音で目が覚めた。

 

 

 

 

いつも通り5時台に目を覚まし、6時から行動を開始する。手っ取り早く互いに好みの食料を摂り、手洗いを済ませて出発した。

(朝が弱いユキノ。ハンドルを握ればタフドライバーに。)

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もうパースまで1200km手前まで迫っていた。このままいけば返却日前日の12日には到着することができそうだ。

 

 

 

「外れルート」と思っていた内陸95号線だが、意外と見所も多い。

 

最初に出てきたのはラベンダーなどのむらさき色の野花の大群だ。これまで緑か茶色しか目に映らなかった僕達にとってはそれだけでも目の保養となる。思わず車を止めて写真を撮ったほどだ。

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そして次に僕達を迎えてくれたのは広大な山並みだ。遠くから見ると通り道を完全に塞いでいるとしか思えない文字通り「山の壁」の隙間を蛇行した道路に沿って車は進む。

 

 

車は谷を通る形になるわけだが両脇に見える山の断層がいかにも美しい。

 

 

 

ひとまず最初の給油ポイントをニューマンに設定した。前回入れた地点からは410kmほど離れているため燃費も考えるとぎりぎりの距離だ。

 

 

280kmほどの距離を交代しながら進み、最後は燃料がエンプティーの線を指しているところに針が指すほど残量が少なくなったがなんとかニューマンに辿り着いた。僕達はシェルで給油を済ませた。

 

 

最近、僕達は毎日の楽しみの一つとして僕はアイスコーヒーを、ユキノはイチゴミルクを一つずつ買うという習慣があった。

 

 

そして御多分に洩れずこの日もユキノはイチゴミルクをシェルで買おうとしたが、シェルに併設されたコンビニエンスストアにはなかった。そういうわけで僕達は10km先のカプリコーンまで進み、そこのガソリンスタンドのコンビニに立ち寄ることに決めた。それが思わぬ幸運につながった。

 

 

カプリコーンのコンビニで無事イチゴミルクを購入したユキノは店員にシャワーが浴びれるかを尋ねてくれ、なんとフリーでシャワーを浴びれることになったのだ。これだけでも幸運なのだが、冷えた飲料水の補給や食器洗いも同時に済ますことができ、かなり助かった。

 

 

ここで僕も4日ぶりのシャワーを浴び、旅の垢を落とした。着替えや髭剃りも4日ぶりに行い、さっぱりすることができた。お風呂も毎日浴びれるとむしろ面倒だが、浴びれない環境にいるととてもありがたい。

 

 

このカプリコーンのガソリンスタンドはそれだけでなくフリーのWi-Fiもあったり、ソファでくつろげたり、旅人が泣いて喜ぶ設備が山ほど揃っていた。

 

 

実質ここで購入したのはユキノのイチゴミルクだけだっが、約一時間ほどカプリコーンに滞在することになった。

 

 

 

 

その遅れを取り戻すようにそこから僕達はほとんど給油以外には止まらず走り続けた。

 

カプリコーンから次の給油ポイントはクマリーナ。その他にもキュー、マウントマグネットなどなんだか可愛らしい地名が多いのもこの95号線の面白いところだ。

 

 

 

 

そういえば今がオーストラリアの乾季だと聞くが地図上に描かれる川や湖のほとんどは干からびていることに気づく。

 

このように水不足の土地だとキャンプサイトのトイレに水道が通っていることも少なく、ほとんどがボットン便所だ。

 

そんな中で改めてフリーシャワーが使えるガソリンスタンドには頭が下がる思いだ。

 

 

 

さて今日もユキノの交通運の無さが見事に発揮する。

 

クマリーナでドライバーがユキノになり、しばらく走っていたところ前方にトラクターを積んだロードトレインが走っている。

 

オーバーサイズのロードトレインは他にも飛行機の翼や普通のタイヤの100倍はありそうな大きさのタイヤなどを運んでいたりする。

 

 

これまで対向車線にオーバーサイズの積載物を乗せて走るトラックは見てきたが同一方向を走行しているのは初めて見た。

(二車線を支配するオーバーサイズロードトレイン)

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そんな呑気なことを言っていたのもつかの間、僕達は約100kmの距離をこのオーバーサイズトラックの時速60キロ走行に付き合うこととなったのだ。

 

 

オーバーサイズトラックから解放されたのは次の給油地マウントマグネットの手前15kmあたりの地点だ。そこからユキノはこれまで我慢していた分の速度を存分に発揮し、すぐさま目的地に到着。

 

 

給油をしながら今日のキャンプサイトも探す。結果、この地点から60km先のフリーキャンプサイトを本日の停泊地とした。

 

 

珍しくまだ陽の名残が空をぼんやりとオレンジ色に染めている。空の色が黒くなる前になんとか停泊地へ向かいたい。そんな思いですぐさまマウントマグネットを後にした。

 

 

 

 

そういえばパースに近づくにつれ徐々に町の規模が大きくなってきていることに気づく。

 

このマウントマグネットも、一つ手前のキューも95号線が見抜き通りのように作られている。モーテルやブッチャー、スーパーマーケットなどもあり、西洋風のレトロな煉瓦造りの建物がある。完全に僕好みの町だ。

 

本来ならボトルショップで安酒を一杯買って夜の友にしたいところだけれどここは我慢しておいた。

 

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結局、キャンプサイトに着いたのは陽が沈んだ午後七時。今日は1000km弱、ただひたすらに南下を続けたためかなり冷え込んでいる。パースはここからさらに500km南だというのでまだまだ寒いのだろう。

 

 

寒さに凍えながら簡単に夕食を済ませた。この日はただパンにチョコスプレッドを塗ったものを1枚食べただけだったけれど、車中泊の際はどんなものでも美味しくなるのは前述した通りだ。そして僕は日常でもこのチョコスプレッドパン一つで何日も過ごせるくらいには好きだ。

 

 

食後トイレと歯磨きを済ませすぐに就寝した。