何時に寝ても6時台には目が醒める
手足が末端冷え性で冷たい
珈琲を飲むと眠れない
お腹が空かない
散歩が好き
僕はどうやら海外に来ておじいさんになってしまっているらしい。
昨日は午前1時まで目が冴えてしまっていたので、この日起きるのが何時になるか不安だったが自然に6時台にいつも通り目が覚めてしまった。
昨晩、眠るのが遅くなったのは僕の人生の書である『死ぬ瞬間の5つの後悔』を再び読み始めたからだ。
死が迫ってくる前に、誰もだ避けられない死に正面から向き合い、受け止めることができたなら、手遅れにならないうちに、人生で大切なものの優先順位を変えることができる。
自分にとって本当に大切な事柄にエネルギーを注げる。残された時間が限られていることを意識すれば、たとえそれが何年間か、何週間か、何時間かわからなくても、他人の評価や過大な自意識にそれほど振り回されなくなるだろう。
そんなものでなく、自分の子ことからの望みに従って行動できるはずだ。
私は目の前のことだけを考えようとしながら、人生の問題の根本的な解決策を見つけようともしていた。私は自分のこういうところが嫌いだ。
いつも大胆なことをしたいと思い、困難な状況を自ら繰り返し作り出してしまうところが。けれどやめられない。自分が最も恐れている状況に自分を追い込んで苦しんだ挙句、毎回、運の助けを借りてどうにか切り抜けて来た。
そして運頼みな行動をとれば取るほど、不安で追い詰められた気持ちになり、毎回どんどん苦しくなっていく。
気づきと後悔と喜びと苦悩を繰り返す作者はまるで僕のようで、そして僕にとって大切な気づきを与えてくれる本だ。
この本を読むといつもハービーベイで家に泊めてくれたケンとクリスを思い出す。この夫妻はまるで哲学者のようで、英語で話していても彼らの言うことがよくわかったし、僕も思ったことを話すことができた。
丸腰の自分を、丸ごと受け入れてくれた感覚は忘れられない。
早く起きて二度寝もできない僕は仕方がないので、暖かい布団から抜け出してシェアルームの冷え切ったリビングで久しぶりに仕事を再開させた。
毎回ライティングをしていると思うのは、丁寧な仕事を返した相手からだけ再び依頼がもらえるということだ。
僕はライティングが好きだから基本的には丁寧に心を込めて書く。しかし追い込まれて疲弊しているときは質が下がってしまう。そんなときはなかなか依頼が続かないものだ。
そしてやっぱり面白くない原稿は進まない。向き不向きもあるし、僕の経験不足のせいもある。そんな依頼に対しては魅力的な原稿を返すことができないのでこちらから継続をお断りすることもあった。
教師という仕事もそうだけれど、このライティングという仕事ほど自分の経験が物をいう仕事はないんじゃないだろうか。
自分が経験したことなら自信を持って、魅力的に書くことができる。だけれど経験したことがないことはネットの記事の寄せ集めしかできないのだ。そんな記事を書いているとき、心が死んでいくように思う。
「頭だけを使う仕事では心が満たされず、空っぽになってしまう。」なんてことが先ほど紹介した本でも書かれているのだけれど教師の時の僕はまさにそんな感じだった。
だからその時の僕と一緒に仕事をしていた人や僕が受け持った生徒たちには申し訳ないと思う。
だからそんな仕事は僕はもうしたくないと思った。誰がどう言おうと楽しくて、得意なことを仕事にすべきだと思っている。
これが甘えだと批判されることもあるけれど、僕の選択肢の方が生きることは難しい。自分の心の声を聞かずに頭だけを使って働く人こそ甘えじゃないか。
7時半になるとオーナーが起きて暖炉に薪を焚べてくれた。そこでオーナーと少し会話をした。
オーナーはとても親切な人で僕に仕事を紹介してくれようとしたけれど、僕はいまはライティングが楽しくて熱中したいからと断った。このオーナーは人に無理強いをするような人ではないので安心して接することができた。
昨日聞けなかったことも少し聞くことができた。
まずシェアハウスのオーナーという仕事についてだ。
シェアハウスはオーストラリア人の持ち主から借りているらしく、代理大家として働いているらしい。
家賃を安く設定しているので、オーナー自身も自分の家賃を持ち主に払わなくてはならず、昼間は別の仕事をしている。
僕はせめてこの家で手伝えることは少しだけれど手伝おうと思った。安く停泊させてもらっている分、それくらいはしたい。
そして彼の過去のことも少し聞くことができた。地元が僕と近く、僕が知っている店のオーナーなどを8年続けて、それから海外旅行をして、それからパースで3年半過ごしているらしい。
彼も僕と似てノマドワーカー的な生活をしたいらしく、ネットワーキングの学校にお金を貯めて来年から通おうと思っているらしい。僕はそれはとても面白いと思った。
自分のことを低める発言が多くて自尊感情が低そうなところや、とても人見知りする感じが僕に似ていて好感が持てる人だと素直に思った。
しばらく喋った後、また僕はライティングに戻った。
それにしてもパースはまだまだ寒く手がかじかんでしまう。
ダーウィンの暑さを今や恋しく思う。
しばらくするとユキノが起きてきた。確か10時過ぎだったと思う。
彼女はブランチにトーストを焼いたので、僕は寒さを誤魔化すためにスープパスタを作ることにした。
即席の思いつきで作ってみたけれど、寒さも合間って本当に美味しくできて満足だった。
食後は衣服の洗濯を済ませて、これから一週間の食料買い出しにコールスへ向かった。
(こんな感じの美しい家や景色がパースにはいたるところにある)
場所が違えば売られているものの種類や値段が違う。
トマトに至っては1ドルくらいパースの方が高いように感じた。
ダーウィンにいた頃は買い出しのたびにトマトを買っていたけれど、こちらでは気軽に買えなさそうだ。
買い出しから戻ると、購入したホットチョコレートをユキノの分と僕の分の二つ淹れてまた作業に戻った。
ホットチョコレートはなんだかシナモンの味がしてあまり好みじゃなかったけれどこの味に慣れていくしかない。
その後、僕は空腹のユキノに朝作ったスープパスタを作った。
料理はもはやライティングの息抜きのようになっていたからちょうど良かった。
僕はミルクティーを淹れてまたライティングに戻ることにした。
ライティングがひと段落すると僕は一度寝入ることにした。
体がまだまだパースの寒さに慣れておらず、なんだか眠気がすごい。
そんなことで8時過ぎまでだらだらと過ごした後、晩御飯を作る。
(シェアハウスで初めてフライパンを出すの巻)
食後は再びライティングに戻った。
明日は久しぶりに観光に出かける。
今日ユキノから「フリマントルに出かけないか」と提案があったからだ。
観光地に興味がない僕が出かける気持ちになったのは、
それこそ前日に読んでいた『死ぬ瞬間の5つの後悔』に登場した場所だったからだ。
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