じゃそれで(Up to you)

オーストラリアで旅をしながらお仕事をする生き方を実践しています。

【パース162日目】Outback Jacks(ステーキ屋)で1kgの肉を喰らう

以前から気になっていたOutback Jacks(オーストラリアのステーキ屋さん)の1kgステーキチャレンジ

f:id:hira-jasorede:20190211233917j:plain

 

ついに本日チャレンジをする運びとなった。

 

 

チャレンジ以前

「今日行っちゃう?」と軽い流れで決まったOutback Jacksの1kgチャレンジ。

 

すでに朝食は済ませた僕だったが、そうとなれば1kgチャレンジに全てをかけるべく昼間は抜く。

 

 

という算段だったが普通に美味しいオムライスを作って食べてしまった。

 

そんなこんなで「普通に朝昼食った奴」状態でユキノの仕事終わりを狙い、パース市内に繰り出した。

 

先に街に着いた僕は「とにかく食欲をそそらせなければなるまい」としてスーパーマーケットColesに向かう。普通に買い物もしつつ視覚と嗅覚で食欲を誘うパンコーナーに佇み、ユキノとの合流を待つ。

 

無事、合流を果たした僕たちはパース中心から少し外れた夜の街ノースブリッジ(North Bridge)へと向かった。目当てのステーキ屋Outback Jacksはそこにある。

 

入店

チャイニーズニューイヤーのためか中華飯店の前でがなる獅子舞に耳をやられながら、その10mほど隣にあるOutback Jacksについに入店。

 

以前、ここでアンガスビーフを食べたことがあったがその時に接客をしてくれたコロンビア人のウェイトレスが僕たちを覚えていてくれた。

 

さて成功すれば無料で1kgもの牛肉を食べられるのだが、失敗するといくらになるのか。

100ドル、いや、以前食べたステーキが270gで34ドルだったことを思えば200ドルはするのかもしれない。

 

そんな逡巡のアテは外れ「失敗しても40ドル程度で構わない」とコロンビアンウェイトレスは僕に言い放った。

 

「バカな」と思った。天下の台所Colesでもミンチ肉500gで5ドルはする。レストラン価格で1枚肉1kg40ドルなど普通に赤字ではないか。

 

しかしそもそも僕にはチャレンジ失敗の文字など頭になかった。ただ食うのみ。

いよいよチャレンジ

待つこと15分程度。

 

キッチンの方から鐘を鳴らす音が聞こえてくる。直感的に気づく。

 

「ヤツだ」

f:id:hira-jasorede:20190211233909j:plain

 

ビュッフェでしか見たことがない巨大な金属プレートの乗せられてきたステーキは、確かに1kgの貫禄を備えている。

 

側に控えるフライドポテトと「今まで凍って候」と言わんばかりの野菜たちは、まるで豊臣秀吉を天下人たらしめた「二兵衛」

 

僕は直感で悟る。「敵は両サイドにあり!」

 

冷めて硬くなる前の肉を短時間で完食するのはおそらく可能。問題はその後のフライドポテトと(不味そうな)野菜たちだ。

 

ウェイトレスが僕に1kgチャレンジのルールを説明する。

  • パートナーに食べてもらわないこと
  • 食べられなかったフライドポテトをポッケに隠さないこと
  • 30分以内に食べられなかったら40ドルを支払うこと

 

これは実際に僕が1kgチャレンジに挑戦している際の動画

動画(後日)

 

ウェイトレスがルール説明もそこそこにしてタイマーを起動させる。いよいよチャレンジ開始だ。

 

ステーキは確かに量が多いものの赤みのためにしつこくなく以外にサクサクと食べ進められる。問題と言うとミディアムレアで頼んだためか、筋がなかなか切りづらいところ。

 

それ以外は特に問題がない。

f:id:hira-jasorede:20190211233813j:plain

 

そこから順調に食べ進め、開始10分程度でステーキを食べきることができた。

やはり敵はフライドポテトと野菜の二者。僕は気合いを入れるかの如く、ズボンのボタンを外した。

 

次に取り掛かるのはフライドポテト。野菜は満腹でもなんとかなる、が、揚げたお芋を最後に食べる自信はない。

 

フライドポテトにあらかじめ用意しておいた各種ソースを付けて味変をしながら食べ進めていく。

 

フライドポテトを半分程度食べ終えた段階で徐々に胃袋のキャパシティが満たされていくことを感じ始める。やはり揚げ物は胃袋に来る。それもお芋なのだから。

f:id:hira-jasorede:20190211233837j:plain

 

なんとかフライドポテトを食べきった僕は、最も食べる気の起きない野菜に手を伸ばし始める。まだ開始15分程度。

 

ただ一言言うとすると、とにかく美味しくない。

冷凍からそのまま鉄板で熱されたのであろう野菜たちは水分をダバダバに含み、その水っぽさたるや。

 

水分量のためか、やたらと腹に溜まる不快感を覚えながらも食べ進める。

 

野菜も残り半分程度となった頃、僕の胃袋は痛み始める。明らかに限界に近づいていた。

 

マッシュポテトを美味しそうに食べるユキノを恨めしげに見ながら僕は脳裏でこう囁いていた。

 

「もうダメかもしれない」

「胃袋が破裂して死ぬのかもしれない」

f:id:hira-jasorede:20190211233848j:plain

そんな時だった。端的に言えばゲップが出た。

するとパンパンに膨らんでいた胃袋に若干の萎みを感じた。

 

「まだ行ける」

 

勝利を確信した僕はスタート段階と同じ程度の速度で残りの野菜を食べ進めた。

 

次々にオーディエンスが僕に声を掛ける。

「頑張れよ!」

「勝利を信じているぜ!」

「どこの国から来たの?」

「ムッチャすごい量!」

 

もはやウェイトレスは僕への信頼のためかただのうっかりさんなのか知らないが、タイマーを止めている。(なんで?)

 

僕はプレートを持ち上げて一気に残りの野菜を書き込んだ。

f:id:hira-jasorede:20190211233900j:plain

チャレンジの結果は…?

ついにやった。僕はついに1kgチャレンジを制したのだ。

誇らしげな顔で勝利を伝えると、ウェイトレスは口の中まで見せるようにと促した。

 

口の中を開け完食の意を伝えると「Congratulation!」と祝福してくれた。

 

これまで僕のチャレンジに気づいていなかったであろう斜向かいの団体客の方々も、何かを察してか拍手をしてくれた。

f:id:hira-jasorede:20190211233800j:plain

チャレンジ後

チャレンジ後、チャレンジ成功者のみに許される写真撮影をしてもらい、お腹が落ち着くと同時にお会計に向かう。

 

1kgチャレンジのレジェンドたちの写真が軒を連ねる掲示板には、すでに僕の写真が飾られていた。

f:id:hira-jasorede:20190211233650j:plain

f:id:hira-jasorede:20190211233745j:plain

 

ウェイトレスが僕に話しかけてくる。

 

「すごかったわね。まさか食べられると思ってなかったわよ」

「いや、僕も思ってなかった。もうおなかいっぱいだよ。」

「すごいね。どこから来たの?」

「今はパースに住んでるけど、元々は日本だよ」

「そうなのね。小さな国だけどテクノロジーがすごい国ね。いつか行ってみたい」

「ありがとう。いつか来れるといいね。」

 

そんな会話をしつつ、僕は重いお腹をさすさす家路に着いた。