じゃそれで(Up to you)

オーストラリアで旅をしながらお仕事をする生き方を実践しています。

【13日目〜15日目】パースにて小銭を稼ぐの巻

 さて今日でパースについて三日目となっていた。初日は結局、借りたレンタカーの居心地の良さを手放せず車中泊を選んだ。

 

 夜はウールワースのある大型駐車場にお邪魔して、そこで安いビールを二本買い、ハングリージャックスのハッピーセット的なものをつまみに流し込み、酩酊(めいてい)*1のうちに眠りについた。

*1 酒に酔い、ふらふらになること

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 実はオーストラリアはこの時期が最も寒い。ケアンズならまだしも南極に近づくほどに夜の寒さは増し、そのため寝る前には酒を飲むというのがここ最近では習慣となっていた。

 

 

 

 目が覚めると午前8時30分。ビールのお陰で一度も夜中に目が覚めることなく朝まで眠ることができたようだ。

 

 目覚めると同時にウールワースに繰り出し、コーヒーと廃棄(はいき)前のパンを買う。シドニーからパースまでの間のちょうど中間地点ではかなり物価が高く、予想以上にお金を使ってしまっていたためできるだけ節約を心がけねばなるまい。

 

 

 カフェのテーブルを借りて勢いよくそれらを平らげ、車に戻る。ガソリンを満タンにしてレンタカー会社に車を返さねばならない。近くのガソリンスタンドの場所を確認して車を勢いよく、ただし燃費を考えてアクセルを優しく踏み、発進させた。

 

 

 幸いにもレンタカー会社の近くにガソリンスタンドがあったのでそこで最後の給油をする。思えばこの車は最初に借りたトヨタハイエースよりも大分少食でこの旅におけるガソリン代を抑えることができた。と言ってもリッター11キロメートルほどなので普通車と比べると大食いなのだが。

 

 

 そういうわけで今回の旅では、ガソリン代の合計は$728.69。日本円にすると6万4千円となる。このうち$250までは会社負担となるため、だいたい$500が実費負担である。少々痛い負担だが、その代わりオーストラリアをわずか4日で横断するという記録の樹立と、4000Kmならば4日あれば十分だという臨床(りんしょう)*2実験的な試みができたわけだ。

*2 ここでは「実際に行った」という意味で使っている

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 レンタカー会社に到着してオフィスに向かった。そこでレシートを渡し、ガソリン代と一緒に書かれていたチョコバーやポテトチップスのレシート記載(きさい)に苦笑されながらも、無事返却をした。

 

 客の忘れ物なのかパスタの乾麺やコーンスープ缶など食材を持って帰っていいようにおかれていたので、僕はパスタの乾麺とコーンスープ缶、ドライトマトのオイル漬け、照り焼き醤油、生姜の瓶詰めを貰って帰った。

 

 

 

 

 その後はパースで6日間お世話になることになるバックパッカー用のドミトリーに向かう。バス停を大幅に乗り過ごし、電車にもうまく乗り継ぎができず、到着するだけにもあくせくしたが何とか昼頃に到着した。

 

 

 

 古い屋敷を改装したような佇まいで、瀟洒*3(しょうしゃ)ないい雰囲気の宿だった。すっかり気を良くした僕は、受付のお姉さんに調子よく挨拶をして部屋に案内してもらった。部屋は4人部屋、と言っても僕以外には一人入っているだけのようだ。ここでしばらく寛いだ後、僕は街を少し散策することにした。

*3 あかぬけている様子

 

 街は全体的に綺麗だが歴史ある建物が多く、とても落ち着いた雰囲気だ。ざっと散策をしてみるとやたらと韓国系の店が多いことがわかる。韓国料理屋、韓国の食材を扱うスーパーやコンビニが狭い範囲に何軒もあった。韓国人の多い居住区なのかもしれない。

 

 

 近くのスーパーに入ると途端にカレーの匂い、否、香辛料の匂いが鼻をつく。この店は様々な国籍の食材が揃えられた店舗らしく、日本のものでいえばあられやお米、味噌。他の国のものではキムチの元ややたらと種類豊富な穀物類が売られていた。

 そしてそれらの食材の中でひときわ存在感を表すのが、カレー用のスパイスだった。これも一種類、二種類なんてものではなく、10種類ほどのスパイスが大樽に並べられている。

 

 

 ある程度、パースのこの区域を散策してこの地域をとても気に入った。この何とも言えない文化のごちゃごちゃ感が面白い。建物だけで言えば明らかに西欧の雰囲気が漂うが、歩いている人や店の種類はアジアや中東を思わせるものが多い。

 

 途中寄った店で購入したコーヒーらしき紙パックの飲み物は、プロテインドリンクで全く喉に潤いを与えないものだったが、そんなことも気にならないくらいこの街を歩くのが楽しかった。

 

 

 

 宿に戻り、受付前の作業スペースでパソコンを広げると僕はクラウドソーシングサイトの「クラウドワークス」を始めてみた。経緯については他記事に書いたので省略をしたい。

 

 それから翌日、つまり今日まで僕はこの作業スペースでひたすらライティングの仕事を受注してはこなし、小銭稼ぎを続けていた。金のためというよりは単純な趣味の範囲である。

 

 

 そして稼いだ金で今日はカレーを食べに行った。久しぶりに自分で稼いだ金で食べるご飯は美味しく感じた。というより海外の日本食(このカレーは「ジャパニーズカレー」という名前だった)を舐めていたが、これがまたとても美味しかったのだ。

(盛り付けは若干ワイルドである)

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 唐揚げカレーライスだったのだが、レトルトのものではなく、ちゃんとルーを一から作っている。それに唐揚げは揚げたてで、しかもごろごろと入っている。他にも「味噌カツ丼」や「うどん」などがあったのでこれもパース滞在中に試してみよう。

 

 

 

 

 さてそういうわけでパースではどこかに観光に行くというよりは、ひたすらライティングに没頭しそうである。高い金をかけてケアンズからここまで来て、なぜか小銭稼ぎをするという意味不明な行動はおそらく誰にも理解できないだろう。ただ本人はこれでかなり楽しんでいるのだ。

 

 

 飯のために小銭を稼ぐ。これほどシンプルで分かりやすい働き方もなかなかないだろう。今はそんな生活をここオーストラリアの陸の孤島パースで楽しみたいと思う。

 

(パースの市街地に来て以来、これとカレーしか写真は撮っていない)

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